プロンプトエンジニアリング(Prompt Engineering)とは、AI(人工知能)、特にChatGPTのよう自然言語処理を行う大規模言語モデル(LLM)を効率的に使いこなすためのスキルのことです。
ChatGPTなどの生成AIを使用するユーザーが増え注目されるようになりました。
- ChatGPTは聞いたことあるし興味があるけどまだ使ったことない
- ChatGPT使ってみたけど、期待している回答があまり返ってこない
- プロンプトエンジニアリングって何?
- ChatGPTで回答の精度を上げるためのプロンプトエンジニアリングとは?
- プロンプトエンジニアリングの基本
- 今日からスグに簡単に使えるテクニック
本記事では、プロンプトエンジニアリングの概要や重要性について簡単に説明し、
プロンプトエンジニアリングの基本、簡単に使えるテクニックをご紹介します!
ChatGPTのような生成AIが有名になってからプロンプトエンジニアリングって言葉もよく聞く様になったよね。
ChatGPTとプロンプトエンジニアリングの基本
ChatGPTとは?
ChatGPTは、OpenAIによって開発された、GPT(Generative Pre-trained Transformer)アーキテクチャをベースにした会話型AIモデルの一つです。
基本的な特徴として、ChatGPTは、自然言語処理タスク、特にテキスト生成や会話のコンテキストを理解する能力に焦点を当てたモデルです。
ユーザーからの質問やプロンプトに対して人間らしいレスポンスを生成することができます。
GPTアーキテクチャは、大量のテキストデータを事前に学習することで、広範な知識と文脈理解能力を持ったモデルを生成します。
ChatGPTは、会話型AIの分野において革命的な存在となっており、日常の様々なタスクや業務における支援ツールとして活用され始めています。
ChatGPTの開発背景など、ChatGPTについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
プロンプトエンジニアリングとは何か
プロンプトエンジニアリングは、自然言語処理(NLP)モデル、特に会話型AI(例:ChatGPT)において、モデルが望ましい応答を生成するように入力プロンプトを設計、最適化するプロセスを指します。プロンプトは、モデルに対するクエリや指示であり、モデルの出力の質と関連性は、プロンプトの設計により直接影響を受けます。
プロンプトエンジニアリングの目的
- 効果的な応答の取得
-
ChatGPTとのコミュニケーションにおいて、目的に応じた最も関連性の高い応答を得るための適切なプロンプトを設計することが求められます。
プロンプトエンジニアリングの技術を使用すると、求める情報や答えを直接的かつ明確に取得することができます。
- 一貫性の確保
-
ChatGPTとの対話で一貫した結果を得るためには、プロンプトの形式や構造が重要です。
エンジニアリングを通じて、類似の質問や要求に対しても一貫した応答を取得できるようになります。
- モデルの性能の最大化
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ChatGPTのポテンシャルと性能は、与えられる入力に大きく依存します。
プロンプトエンジニアリングは、モデルが最も効果的に情報を提供できるように、適切な入力を特定することを目的としています。
- ユーザーエクスペリエンスの向上
-
ユーザーがChatGPTとのインタラクションを効果的かつ滑らかに行うために、最適化されたプロンプトの提供が不可欠です。
これにより、ユーザーは期待する応答を迅速に得ることができます。
- リソースの節約
-
適切でないプロンプトは、モデルの不要な再計算やユーザーの再入力を招く可能性があります。
プロンプトエンジニアリングを適用することで、これらを削減し、効率的な対話を実現できます。
ChatGPTとの対話において、プロンプトエンジニアリングは、期待する結果を得るための重要なツールとして位置づけられています。
適切なプロンプトを使用することで、モデルの応答品質とユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させることができます。
プロンプトエンジニアリングの重要性
ChatGPTを少しいじってみたという方であれば、想定している回答が返ってこなくて結局本格的に使っていないっていう方が多いのではないでしょうか。
ChatGPTは、命令分の書き方スキル、プロンプトのスキルによって回答の精度が変わってきます。
使い続けさまざまなプロンプトのコツを掴んでいくことで、初めて使いこなせる様になり便利なツールになります。
ゲームに例えるならモンスタハンターを初めてプレイした時より、ずっと遊び続けることで自分のプレイスキルが上がっていくのを肌に感じることが出来ると思います。
ゲームであれば攻略サイトを見てヒントを得たりすることもあるでしょう。
それと同じくChatGPTを攻略するには使い方のシチュエーションごとに適切な回答を得るためのプロンプトの仕方、
おすすめのプロンプトを学び、それを実践していくことで自分自身にスキルとして定着させることが重要となります。
当ブログサイトでは、たくさんの方がChatGPTを攻略出来るよう基礎編から実践編の関する記事を今後公開していく予定です。
プロンプトのスキルを身につけることで、ChatGPTを使いこなせるようになっていくんだね。
プロンプトエンジニアリングの基本
プロンプトは、タスクや目的に合わせて作成する必要があります。
ChatGPTにおけるプロンプトの基本原則と基本フレームをご紹介します。
ChatGPTプロンプトの基本原則
原則 | 説明 |
---|---|
明瞭性 | プロンプトは明確で具体的であるべきです。 不明瞭なプロンプトは不確かな回答を引き起こす可能性があります。 |
簡潔性 | 無駄な情報を避け、必要な情報のみを提供することで、モデルの理解を助けます。 |
背景 前提条件 | 質問に関連する背景情報や前提を提供することで、ChatGPTはより適切な回答を生成することができます。 |
ステップバイステップ | 複雑な問題の場合、ステップバイステップの指示を与えることで、回答に至るまでの過程を知ることが出来て、詳細な回答を得られることがあります。 |
反復と 調整 | 完璧な回答を得るためには、プロンプトの微調整や繰り返しの試行が必要な場合があります。 出力が期待に沿わない場合は、質問の言い回しや前提条件を変更して、改善を試みましょう。 また、完璧な回答を得るために必要な情報をChatGPTに質問させると良いでしょう。 |
オプションの提供 | 複数の回答やアプローチを求める場合、それを明示的にプロンプトに記述すると良いです。 |
プロンプトエンジニアリングの基本フレーム
- 目的
-
ChatGPTに解決してほしい問題や目的を定義して、問題に対して実行させる質問、タスクや命令を指示を考えます。
複雑な問題の場合、ステップバイステップの指示を与えることで、回答に至る過程を確認し、詳細な回答が得られます。
- 背景
-
ChatGPTの回答精度を高めるために、質問に関連する背景情報や前提条件を明確化することが必要です。
- 入力データ
-
ChatGPTに応答を求める入力データなど
- 出力指示
-
出力形式に指定がある場合、出力タイプやフォーマット( 箇条書きリスト、表形式、文字数指定、HTML形式など)
- 反復試行
-
一度のプロンプトで完了ではなく、回答を評価し、質問の言い回しや前提条件を変更したり、
ChatGPTに最高の結果を出すために必要な情報を質問させることで、追加情報を提供し、最適化していきます。
この基本の型をまずは身につけておこう!
その上で、プロンプトの各テクニックを身につけていくといいよ
プロンプトエンジニアリングの簡単なテクニック
テンプレートを活用するテクニック
シチュエーションごとのおすすめのプロンプトテンプレートを当てはめて活用していくことで、簡単に回答の精度を上げていくことができます。
おすすめのプロンプトについては、以下の記事で特集していますので、良かったらそちらも読んでみてください。
ChatGPTの立場を指定する
1つ目のテクニックは、 ChatGPT が適切な回答を生成するための情報を得るため、ChatGPT の立場を明確にすることです。
例を挙げてみると、
一流の料理人として振る舞ってください。
あなたはそれでは、立場を指定しないケースと立場を指定したケースを比べてみましょう。
立場を指定せずに質問した場合
悪くはない回答ですが、どちらかというと基本的内容に合わせたシンプルな回答になっています。
立場を指定して質問した場合
立場を指定してあげたことで、より詳細で高度な回答が返ってきました。
この様に、立場を指定することで、より精度が高い回答が返ってくるので是非、使ってみてください。
キャラクターを与えてあげることで、そのキャラクターになりきって回答してくれるってことだよね。生成AIってほんと面白いよね。
ChatGPTに最適な回答を要求
2つ目のテクニックはChatGPTに最適な回答を要求するため、以下のようなプロンプトを含めます。
「ベストプラクティスで」 もしくは「最高の〇〇」「ベストな回答をしてください」
同じ例を使って、今度は「ベストプラクティス」を足してみましょう。
よりプロフェッショナルで洗練された回答が返ってきました。
劇的に回答の質が良くなっているわけではありませんが、ベストな回答を要求したり、
これに追加情報を与えることで、最適な回答へより一歩近づいていきます。
これって、ベストな結果を出せと求めることでアウトプットされる内容が変わるって、人間みたいな反応だよね。。。
入力データ、前提条件を指示文(命令文)と分離する
3つ目テクニックは、入力データ、前提条件を指示文から分離することです。
文を続けて書くよりも、分離することで正確に指示を解釈してもらえます。
分離する際には、「###」または「”””」のマークアップで囲むことで、分離することが出来ます。
特に複雑な質問、指示を出す場合は、この様に分離すると効果的です。
次の文章を3行程度に要約してください。
###
ここに要約したい文章
###
では、実際に英語の記事を要約してみましょう。
参照: AI News OpenAI considers in-house chip manufacturing amid global shortage
https://www.artificialintelligence-news.com/2023/10/06/openai-considers-in-house-chip-manufacturing-amid-global-shortage/
上記の命令文は、シンプルなものですが、前提条件を箇条書きにしたりと複雑な質問をする場合は、前提条件、入力データ、それぞれを分離するようにしましょう。
出力フォーマットを指定して希望する形式での回答を得る
4つ目のテクニックは、回答の出力形式を指定する方法です。
ChatGPTの出力は、指定しない限りプレーンテキスト形式です。
出力フォーマットを明記するか、出力例を明示することでChatGPTがその形式で回答をしてくれます。
基本の出力形式の例
- 表形式にしてください
-
回答について表を作成してくれます。
- Markdown 形式で書いてください
-
テキストにスタイルを追加するMarkdown方式で書き出します。
見出し、リスト、太字、リンクなどテキストに情報構造を付けることが可能です。
- 箇条書きで書いてください
-
箇条書きでリストアップしてくれます。回答が複数ある場合などに有用です。
応用の出力形式
- JSON形式で出力してください
-
データを保存・転送するためのJSON(JavaScript Object Notationの略)形式です。
キー(常に文字列)と値のペアによるデータ構造を表現します。
この形式は、様々なプログラミグ言語で利用可能な解析ツールがあります。
JSONは、APIとのデータ交換や、設定ファイル、データストレージなど、多くの用途で使用されています。
<補足説明> Function Callingとは、、、
開発者がGPT-4-0613やgpt-3.5-turbo-0613に対して関数を記述し、モデルがJSONオブジェクトを生成してその関数を呼び出す機能です。
これを使うことで、GPTの能力と外部のツールやAPIを信頼性高く接続する新たな手法が可能になります。
つまり、、、
自然言語から関数の呼び出しを行うことが可能となり、APIを活用しやくなります。
こういった新機能はどんどん試して、活用していきたいですね。
ChatGPTの出力をJSONで出力する場合、以下の様な適切な指示を与えることも可能です。
idには、おすすめの観光場所、そしてそれ以降指定された情報を抽出し、行き方を構造的に出力されました。
ChatGPTの出力を構造化することで、情報の整理と管理、データの再利用ができます。
情報を構造化・管理・再利用する必要がある人にとって有用な活用方法です。
出力フォーマットを指定できるのは、便利だよね!ここでアウトプットされた内容を他の媒体に共有できるからね。
まとめ
この記事では、以下の事を解説してきました。
- プロンプトエンジニアリングとは
- プロンプトエンジニアリングの基本
- ChatGPTプロンプトの基本原則
- プロンプトエンジニアリングの基本フレーム
- 目的
- 背景
- 入力データ
- 出力指示
- 反復
- 今日からスグに簡単に使えるテクニック
- テンプレートを使ったテクニック
- 立場を指定してあげる
- 「ベストプラクティスで」を用いて最適な回答を要求
- 「###」または「”””」のマークアップで囲むことで、前提条件と命令文を分離する
- 出力形式を指定する
ChatGPTのプロンプトについて、テクニックを学びどんどん実践してみてください。
ChatGPTは、命令分の書き方スキル、プロンプトのスキルによって回答の精度が変わってきます。
学んだプロンプトを実践していくことで、結果的に回答の精度を上がり、ChatGPTが様々なシチュエーションで活躍するツールになるでしょう。
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