AIは多くの業界で活用されています。人事領域でもすでに採用や勤怠管理にAIが導入されており、新卒採用にもAIが導入され始まりました。
- AIが人事評価に使われるようなったらどうなるのか興味がある
- 人事評価にAIが使われるデメリットが何か知りたい
- AIを人事評価に導入するなら何を注意するべきか知りたい
いろんな分野でAIが導入されていますが、
人事領域でも以下のような分野に分けてAIが導入され始めています。
- 人事評価支援
- 採用業務支援
- 従業員のタレントマネジメント支援
- エンゲージメント管理・離職防止
この記事は、「人事評価がAIによってどう変わるのか?」という疑問を持っている方へ向けて、AIがどういった分野で活用されるのか解明し、デメリットや注意点に触れていきます。
この記事を読むことで、「近い未来における人事評価のあり方に対しての意識を持てるようになります。」
それでは、各分野ごとに具体的に解明していきましょう!
人事評価支援
海外の方が実際に採用されているケースが多いのが現状ですが、、従業員の報酬や手当等を決定するプロセスにAIが導入されております。人事評価支援におけるAI導入のメリットとデメリットに分けてみていきましょう。
客観性と公正性の向上
- データに基づく評価
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AIはデータに基づいて従業員の評価を行うため、主観的なバイアスや個人的な好みの影響を最小限に抑えます。
評価プロセスはより客観的で公平になります。
ただし、元々の学習させるデータにバイアス(偏り)がある場合に注意です。
実際に過去に新卒採用で、過去のデータから男性が採用される事が多いのをAIが学習し、
AI選考過程で男性学生を多く選択したというケースがありました。
- リアルタイムフィードバック
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AIシステムはリアルタイムでデータを収集し、従業員に即座のフィードバックを提供します。
従業員は自分のパフォーマンスを常に把握し、改善の機会を見逃しません。
- データ駆動の評価
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AIは大量のデータを分析し、トレンドやパターンを識別します。
これにより、評価プロセスはより正確で合理的になり、適切な改善策を特定するのに役立ちます。
- 個別カスタマイズ
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AIは従業員の役割、スキル、目標に合わせて評価をカスタマイズすることができます。
従業員は自分自身に関連するフィードバックと評価を受けるため、成長のための具体的な指導を受けることができます。
- 自己評価のサポート
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AIは従業員に自己評価のサポートを提供し、自己に対する認識と自己改善のプロセスをサポートします。これにより、従業員の自己効力感が向上します。
組織全体の改善
- コスト削減と効率化
-
AIは評価プロセスを自動化し、人事部門の労力を削減します。
これにより、評価に関連するコストが削減され、時間とリソースが節約されます。
採用業務支援
履歴書や職務経歴書をAIが読み取り、面接スケジュール調整をAIチャットボットにより対応したりと、採用業務の効率化に役立ちます。
エントリーシート選考にかかる時間、コスト削減につながります。最近では、
面接自体をAIが行うケースも見られます。
応募側の履歴書もAIで作成出来るから、採用側もAIを活用することで業務効率化を図れるね。
そうだよね。応募者が何千人もいるような大企業では、特にその恩恵を受けることになるよね。具体的にどんな役割があるか詳しくみていこう。
- 効率の向上
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AIは履歴書のスクリーニング、応募者のスキルと経験のマッチング、候補者とのコミュニケーションの自動化など、多くの繰り返し可能なタスクを自動化します。
これにより、人事担当者の時間と労力が節約され、プロセスの効率が向上します。
- 候補者のスクリーニング
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AIは候補者のスキルや経験と求人要件を比較し、最適なマッチを特定します。
これにより、適切な候補者を迅速に見つけ出すことができます。
- 候補者エクスペリエンスの向上
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AIチャットボットや仮想アシスタントを使用して、候補者とのコミュニケーションが24時間対応可能となります。候補者は質問に即座に回答を得ることができ、個別のサポートを受けることができます。
- データ駆動の決定
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AIは大量の候補者データを分析し、採用の成功要因や失敗要因を特定するのに役立ちます。
これにより、より効果的な採用戦略を策定できます。
- 人間による評価バイアスを防ぐ
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AIは候補者の評価を客観的に行うため、人間によるバイアスを減少させることができます。
これにより、多様な候補者が公平な機会を得ることができます。
ただし、上記の通りAIに学習させるデータにバイアスがないかどうか重要なポイントとなります。
- リクルーターのサポート
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AIは人事担当者やリクルーターをサポートし、スケジュールの管理、候補者のフォローアップ、面接の予約などのタスクを簡素化します。
これにより、リクルーターはより戦略的な業務に集中できます。
- マネジメントリーダー候補者予測
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AIは候補者のパフォーマンスデータと行動から、長期的な成功の可能性を予測するのに役立ちます。
組織は将来のリーダー候補を特定しやすくなります。
- セキュリティとプライバシー
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AIは候補者データのセキュリティを強化します。
データへのアクセス権の制御や暗号化などのセキュリティ対策が強化されます。
- 大量採用への対応
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AIは大規模な採用プロセスにもスムーズに対応できます。
数百、数千の候補者を同時に処理し、追跡することができます。
- リアルタイムデータ更新
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AIは常に最新のデータを利用できるため、リアルタイムで採用状況を把握し、適切な対策を取ることができます。
大量データを処理するのが得意なAIに任せることで、人事担当者は、効率的に採用プロセスの効率化ができるね!人間だけでは限界な部分をAIを補助として使っていけば、便利なんじゃないかな。
従業員のタレントマネジメント支援
AIシステムを導入することで、従業員のスキルや特性を分析し、その適正や活躍できる可能性を判断できます。
採用時によく利用される適正試験などでもAIによるデータ学習が活用されています。
入社後においても、大量のデータ収集・分析から、従業員のスキル・成果・トレンドを把握し、
組織はデータに基づいたタレントマネジメントが可能となり、個別の従業員の成長をサポートできます。
AIは従業員のスキルと業務ニーズをマッチングして、適切な役割やプロジェクトに従業員を割り当てるのに役立ちます。
これにより最適なスキルを持った人材が適切に配置され、生産性向上につながります。
マネジメントサイドとしては、AIを用いて、従業員の今後のパフォーマンスやポテンシャルを予測するのに役立てることもできます。
従業員サイドとしては、リアルタイムでパフォーマンスのフィードバックを確認することができ、
強化すべき点や、改善すべき点を可視化することで、自身の成長を計画する事ができるでしょう。
人であるとどうしても関係性などの主観が入ってしまいがち。そこで、客観的な分析データを出せるとより統一性のある評価や人材配置につながるかもしれないね。
エンゲージメント管理・離職防止
従業員のエンゲージメントやモチベーションを管理、可視化することは、なかなか難しい点となっています。
AIを導入することで、システムに集約されている従業員のデータをAIが分析し、エンゲージメント管理に役立てることが出来ます。
従業員のモチベーションの変化を管理、可視化することは難しく、関わりの薄い人事担当者が判断することが非常に困難でしょう。
どうやって可視化するんだろう?
具体的には、以下のような方法で、エンゲージメントの度合いを管理して、AIが個別に支援していけるんだ。
- エンゲージメントの洞察
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AIは従業員のデータからエンゲージメントのパターンを識別します。
これには従業員のフィードバック、プロジェクトの参加度、コミュニケーション頻度などが含まれます。
エンゲージメントの低い従業員を早期に特定できます。
- リアルタイムフィードバック
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AIは従業員にリアルタイムでフィードバックを提供します。エンゲージメントが低下している場合、AIは警告を発し、問題を早期に察知します。従業員に改善策やリソースを提供することができます。
- 個別にカスタマイズされた支援
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AIは従業員の個別ニーズに合わせた支援を提供します。例えば、エンゲージメントが低い従業員には特定のトレーニングやプロジェクトへの参加を提案することができます。
- 離職リスクの予測
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AIはデータから離職のリスクを予測します。これには従業員のパフォーマンス、フィードバック、休暇履歴、就業時間の変動などが考慮されます。離職リスクが高い従業員にアラートを送信し、介入措置を講じます。
- リーダーシップの支援
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AIは管理者やリーダーシップチームに対して、エンゲージメント管理のためのデータと洞察を提供します。これにより、リーダーシップはチームのエンゲージメントを向上させるための戦略を策定できます。
- 改善策の評価
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AIは導入したエンゲージメント向上の施策やプログラムの効果を評価します。データに基づいたフィードバックは、戦略の修正や新たなアプローチの開発に役立ちます。
- コミュニケーションの向上
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AIは従業員と組織間のコミュニケーションを改善します。個別のコミュニケーションニーズに合わせたメッセージを配信し、従業員との関係を強化します。
人事評価支援、採用業務支援、従業員のタレントマネジメント支援、エンゲージメント管理・離職防止の大きく4つに分けてAIが人事評価の分野でどう機能するか見てきたけど、実際企業では、どんな風に導入されているんだろう?
具体的なケースを見ていこう!
人事業務にAIを導入した3社の事例
販売員の給与やボーナスをAIシステムで一元的に算出することで、報酬決定まで従来3ヶ月の期間を要したプロセスが、2週間に大幅縮小することが出来ました。
結果として、年間4,900万ドルのコスト削減を実現しました。
なるほど。。。3社ともAIを導入したことで、業務効率化とコスト削減に成功した事例なんだね。でも、導入するならどういったことに注意したらいいんだろう?
人事評価でAI導入するにあたり注意すべきポイント
- AI導入に関して、従業員の理解を得る
- AIに学習させるデータにバイアスがないように努力する
- 最終意思決定は人が行う
AIの導入により、従業員の評価プロセスはより公平で効果的になり、組織は成果を最大化し、人材のパフォーマンスを向上させることができます。
従業員のパーフォーマンス等のデータを収集することが必要になるため、重要ような注意点として従業員へAI導入にあたり、きちんとした説明を行い理解を得た上で、適切なトレーニングを含めたオンボーディングが必要になります。
従業員の理解や認識がない上で、従業員の細かなデータを収集するためのモニタリングを行なってしまうと、プライバシー侵害など倫理的な問題が発生する可能性があるので注意しましょう。
企業のAI運用において、透明性を確保し、従業員に評価基準やプロセスについて説明を行うことが重要です。透明性は信頼の構築に役立ちます。
従業員のプライバシーを尊重し、必要なデータだけを収集し、適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。個別の許可を得ることも検討されるべきでしょう。
AIの学習させるデータにバイアスがないように、アルゴリズムにバイアスを減らすための適切な対策を取りましょう。データ収集時に多様な要因を考慮し、不平等を排除するための努力を行います。
AIは自動的に学習し、判断をする事が可能となりますが、判断の方向性は開発時の初期設定、その際に学習させるデータベースによって変わります。設定・データに偏りや誤りがある場合、AIの判断にバイアスが出てしまう可能性があります。
AIは倫理的・感覚的な判断が難しいため、最終的な意思決定は人の手で行うようにしましょう。
従業員に十分な説明をして理解を得た上で、従業員へのトレーニングが必要だよね。
ここでも正しい知識がないとAIの運用が間違った方向に向いてしまう可能性があるから、使う側としてもきちんと学び理解することが大事。
今後の人事評価システムにAIが活用されていく
人事評価はもちろんHRテックにおいても、AIは活用され始めています。AIを導入する事で、より効率的かつ精度の高いHRマネジメントが実現できるようになってきています。
人事部門がより戦略的かつ成果を出すことができるようになるため、今後より一層AIを活用する企業が増えていくと予想されます。
企業側としては、導入に当たっては、注意点に気をつけていく必要があり、従業員としては、今後人事評価にAIが活用されていくシーンが増えていくため、AIを活用できる正しい知識やスキルを身につけていくといいでしょう。
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